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日蓮宗(にちれんしゅう)

法華(ほっけ)宗とも。鎌倉中期に日蓮の開いた仏教宗派。日蓮は郷里の安房国清澄山で「南無妙法蓮華経」の題目(だいもく)を唱え,仏法の真髄は「法華経」にあると説き,他宗批判を強めた。「立正安国論」を幕府に上呈したがいれられず弾圧された。この不屈の国政批判意識は門弟にも継承され,とくに地方武士・都市商人・職人らに多くの信徒を得た。南北朝・室町時代に京都方面に積極的に進出し,町衆の精神的母胎ともなる。1536年(天文5)比叡山衆徒による焼打,79年(天正7)織田信長の主催する安土宗論などにより一時退潮。江戸時代には不受不施派(ふじゅふせは)のように反体制の立場をとる一派もあったが,おおむね体制化した。近代には立正佼成会や創価学会などの新宗教を輩出する一方,国柱会など国家主義化する側面もあわせもった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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