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日蓮(にちれん)

生没 1222~82.10.13 鎌倉時代に法華(ほっけ)宗(日蓮宗)を開いた僧。字は蓮長。安房国小湊の海縁村落の「海人の子」として誕生。12歳で故郷の天台寺院清澄寺にのぼり,16歳のとき,「日本第一の智者」になるべく出家して是聖房蓮長と名のる。以後,鎌倉・比叡山・南都・高野山などに修学した結果,仏法の真髄は「法華経」にあると悟って,1253年(建長5)法華宗を開示。念仏は無間地獄,禅は天魔の所為,律は国賊,真言宗は亡国とした「四箇(しか)格言」に示されるように,徹底した他宗批判を行った。「法華経」の採用を求め,60年(文応元)幕府へ「立正安国論」を上呈。元寇を目前にした予言的言動により一定の信者を得たが,幕府からはつねに弾圧され,波瀾のなかに身をおいた。71年(文永8)の佐渡流罪と,その後の身延入山を通して仏使としての自覚を強める一方,現世と来世を超越した「法華経」の世界を思索した。「法華経の行者日蓮」の残した思想と行動は,本弟子6人(六老)に継承された。大正期に立正大師の諡号が贈られた。著書「開目鈔」「観心本尊鈔」。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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