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似絵(にせえ)

鎌倉~南北朝期頃に流行したやまと絵系の肖像画の一種。像主の顔に似せて描くのを重視する写生画・記録画の類で,理想化された礼拝用肖像画とは区別される。像主は天皇や貴族が多く,画家も中級貴族の家系であった。12世紀後半に始まる藤原隆信の家系では,隆信の子が似絵の大成者とされる藤原信実で,「後鳥羽天皇像」は代表作。ほかに,信実の曾孫為信とその子豪信(ごうしん)の「天皇大臣摂関影」,豪信の「花園天皇像」などの作品が名高い。1293年(永仁元)頃の「蒙古襲来絵詞」に「馬具足似絵」の書き入れ文字があること,14世紀初期に牛馬似絵を得意とする法眼任禅という画家がいたことなどから,この頃似絵の語が広く用いられたらしい。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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