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西陣織(にしじんおり)

応仁の乱の後,京都の西陣跡に皇室や室町幕府の庇護下に発展を始めた,絹を主体とする着尺・帯地用の高級織物。江戸時代,西陣は中国から輸入される原料(白糸)の確保など幕府の保護を得て,全国の絹織物生産の拠点となった。1730年(享保15)の大火「西陣焼け」を機に丹後・長浜・桐生などの織物産地へ技術が流出し,それらの田舎絹との競争に悩まされるようになったが,19世紀初めまで発展した。天保年間(1830~44)における飢饉や株仲間の解散,幕末期における生糸輸出の激増を背景とする原料の入手難などにより明治初期には衰退した。その後,京都府の助成に支えられて伝統産業として復興し,今日まで続いている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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