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ノルマントン号事件(ノルマントンごうじけん)

イギリス船沈没に関する領事裁判事件。1886年(明治19)10月24日,横浜から神戸へ向かうイギリス貨物船ノルマントン号が熊野灘で難破し翌日沈没。西洋人船員らはボートで脱出したが,日本人乗客25人は全員水死。11月5日,イギリス神戸領事の海難審判は船長ドレイクに無罪を判決。国民の激高に,政府は兵庫県知事内海忠勝に船長を殺人罪で告発させ,12月8日横浜領事による刑事裁判は船長を有罪,禁錮3カ月に処した(賠償はなし)。この事件に内外人の義捐(ぎえん)金が寄せられ,脚色上演の動きもあるなど,井上馨(かおる)外相の条約改正交渉中に領事裁判権撤廃の世論をよびおこした。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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