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祝詞(のりと)

神事・祭礼の際に神に対して唱える言葉。寿詞(よごと)・祓詞(はらえことば)も含めることが多い。「宣(の)る」に呪的なものにつける接尾語の「と」がついたのが語源と考えられる。「古事記」の出雲の国譲り神話からみえ,「延喜式」には朝廷の祭祀にかかわる27編が収録されており,天皇の健康や五穀豊穣を祈る,天下の穢(けがれ)を祓う,祭礼に際して神社の神前で奏上される,など性格は多様である。作成年代も古くは7世紀後半と広範にわたる。文体は助詞・助動詞などを万葉仮名で小さく記す宣命体(せんみょうたい)で,料紙は奉書紙・杉原紙などの白の和紙が多く用いられたが,勅使参向の場合には伊勢は縹(はなだ),賀茂は紅,その他は黄色を用いた。内容は,祭神の由緒や神徳に始まり,神饌(しんせん)・幣帛(へいはく)の奉納,そのあとに祈願を記した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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