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野ざらし紀行(のざらしきこう)

「甲子(かっし)吟行」とも。芭蕉の初の俳諧紀行。1巻。諸本により異名がある。1685年(貞享2)4月以降に着手して3稿までなり,87年秋頃までに芭蕉自筆自画が成立。その後,濁子(じょくし)による清書本が完成。芭蕉は84年8月,門人千里をともなって江戸を発ち,伊勢参宮,ついで大和地方から美濃国大垣をへて尾張国名古屋で五歌仙の興行(「冬の日」所収),伊賀で越年後,奈良・京・大津などをまわり,再び名古屋をへて江戸に帰着した。約9カ月に及ぶ旅の成果をまとめる。本文は句集的な性格が強いが,絵画と一体となって独自の文学世界を構築している。「日本古典文学大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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