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能面(のうめん)

能楽に使用される仮面の総称。世阿弥(ぜあみ)が能楽を大成した室町初期には面の種類は限られていたが,能の普及と分化にともなって増え,桃山時代には約60種の面が知られ,現在では200種をこえる。系統や分類には定説がないが,大別すると,翁(おきな)・尉(じょう)・鬼神・怨霊・男・女の系統にわけられる。それぞれ型として洗練・完成された姿を示し,独特の形式美を創りだす。初期の作家として日光・弥勒・赤鶴(しゃくつる)など十作(じっさく)とも称された伝説的な名が知られる。桃山時代に入ってからは,越前出目(でめ)家・大野出目家・近江井関家などの世襲作家が成立した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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