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納銭方(のうせんかた)

納銭方一衆とも。室町幕府が酒屋・土倉などに課税した諸商売役銭の徴収にあたった組織。有力な酒屋・土倉から構成された。幕府は14世紀末に洛中と近郊の酒屋・土倉の把握に乗り出し,山門(延暦寺)など権門の酒屋・土倉に対する支配を排するかわりに,将軍家の諸生活費にあてるための課税対象とした。その徴収の実務を担当したのが酒屋・土倉の有力者で,のちに納銭方と称された。彼らは各自支配下にもつ数十軒程度の酒屋・土倉から役銭を徴収,幕府に納銭した。延暦寺山徒の定泉坊・定光坊など公方御倉(くぼうみくら)を勤める土倉から選ばれた者と,沢村・中村・野洲井ら俗人の酒屋から任じられた者で構成された。15世紀後半以降は,役銭の収納請負機関化する。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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