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農書(のうしょ)

一般に前近代社会において農業の技術的側面を中心に記述された農業技術書。日本では17世紀後半以降に成立した。近世農書は学者の農書と地域農書に大別できる。学者の農書ははじめから農業技術の改良や農業知識の普及を意図し,著者もしくは都市の出版業者が木版本として刊行・販売した文献で,広く民間に流布して多くの読者を獲得,その後の農政や農業技術の改善に深い影響を与えた。地域農書は学者の農書から一定の農学的・技術的影響をうけながらも,著者自身の農事体験をもとに,その地域の土着的・実践的な農業技術を記録したもので,著者が子孫繁栄のために残した家伝書という性格をもつ。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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