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尾張国(おわりのくに)

東海道の国。現在の愛知県北西部。「延喜式」の等級は上国。「和名抄」では海部(あま)・中島・葉栗(はぐり)・丹羽(にわ)・春部(かすがべ)・山田・愛智・智多の8郡からなる。国府・国分寺は中島郡(現,稲沢市)におかれた。一宮は真清田(ますみだ)神社(現,一宮市)。「和名抄」(名古屋市博本)所載田数は9450町余。「延喜式」では調に羅・綾・帛・糸や塩を,庸に韓櫃(からびつ)を定める。古代には尾張氏が国造として勢力をもった。古くから猿投(さなげ)窯・尾北(びほく)窯などで陶器が生産され,瀬戸焼や常滑(とこなめ)焼につながる。南北朝期には動乱が激しく,1352年(文和元・正平7)には近江・美濃とともに全国初の半済(はんぜい)令が出される。守護所は下津(おりづ)(現,稲沢市)におかれた。守護の土岐氏は足利義満に討伐され,その後斯波(しば)氏が守護職を世襲。戦国期には守護代織田氏が力をのばし,織田信長が国内を平定,全国統一へ乗りだした。関ケ原の戦後,徳川家康は四男の松平忠吉を配し,江戸時代には名古屋藩が大部分を支配した。1871年(明治4)の廃藩置県により名古屋県となり,翌年愛知県と改称。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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