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オランダ貿易(オランダぼうえき)

江戸時代,平戸および長崎に来航したオランダ船による日蘭貿易。1609年(慶長14)幕府がオランダ船に通航許可状を与えて以降は平戸商館,41年(寛永18)からは長崎出島のオランダ商館で行われ幕末期まで続いた。オランダ船はオランダ東インド会社がアジア貿易の根拠地としたバタビア(現,ジャカルタ)から派遣され,中国産の生糸・織物類や南洋諸地域の物資(染料・香料・皮革・砂糖など)を積載し,日本からはおもに金・銀・銅を持ち帰った。初期の平戸商館時代はきわめて自由な取引であったが,鎖国後幕府は諸制限を加えた。41年輸入生糸の糸割符(いとわっぷ)制,68年(寛文8)銀輸出の禁止,72年輸入品すべてを日本側の評価額で買い取る市法貨物商法,85年(貞享2)取引額を制限した定高(さだめだか)貿易法など。18世紀に入ると,主要輸出品の銅不足により取引額の制限が進み,オランダ貿易は漸減していった。開国後の1857年(安政4)日蘭追加条約で,取引額の制限は撤廃された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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