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オランダ風説書(オランダふうせつがき)

近世,長崎に来航したオランダ船から幕府に提出された海外情報に関する報告書。1639年(寛永16)幕府はポルトガル船の来航禁止後,東アジアにおけるスペイン・ポルトガルの動静を探るため,オランダ人にアジア・ヨーロッパ情報の報告書提出を命じた。その後しだいに形式化したが,1840年のアヘン戦争を契機として,42年(天保13)からは別に詳しい情報を提出し,これを「別段風説書」とよんだ。これらの風説書はオランダ通詞によって翻訳され,長崎奉行を通じて幕閣にもたらされた。風説書による海外情報は,幕府が秘匿・独占を建前としたが,一部諸藩や知識人にも伝えられた。江戸東京博物館蔵は国重文。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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