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緒方洪庵(おがたこうあん)

生没 1810.7.14~63.6.10 江戸後期の蘭学者・医学者・教育者。備中国足守藩士佐伯惟因の三男。名は章。号は洪庵・適々斎(てきてきさい)など。1825年(文政8)父と大坂に出,翌年蘭学者中天游(なかてんゆう)に入門。緒方三平と改称。31年(天保2)江戸の坪井信道塾に入り,信道の師宇田川玄真(げんしん)にも学び,蘭書翻訳の力を蓄えた。36年長崎に遊学し,洪庵を名のる。38年大坂に適々斎塾を開き,医業とともに蘭学教育に専心し,近代日本の建設に寄与した多くの人材を育成した。牛痘接種法の普及やコレラの治療にも成果をあげた。62年(文久2)幕府奥医師・西洋医学所頭取となるが,翌年喀血により急死。著書「扶氏(ふし)経験遺訓」「病学通論」「虎狼痢(ころり)治準」など多数。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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