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お蔭参り(おかげまいり)

近世の伊勢神宮への民衆の集団参拝のこと。1650年(慶安3)・1705年(宝永2)・71年(明和8)・1830年(天保元)の4回の流行があり,その年には,通常70万人程度だった参宮者が,多いときには500万人にもなった。お蔭年(かげどし)に伊勢神宮の大麻札(たいまふだ)が天から降るとされ,約60年周期で主として都市や近郊農村を中心に流行した。奉公人や農民が着の身着のままで銭ももたずにでかけ,沿道の住民の喜捨や富豪の施行(せぎょう)を頼りに参宮することも多かった。やがてお蔭踊などの熱狂的な踊りをともなうようになった。67年(慶応3)の5回目の流行は,世直し要求の表現としておこり,町や村を「ええじゃないか」と歌い踊って歩いた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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