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大鎧(おおよろい)

甲(よろい)の一つ。腹巻・胴丸に比べて大型であるための名称。たんに鎧ともいい,室町時代以降は式正(しきしょう)の鎧ともいう。挂甲(けいこう)の伝統を引く札(さね)製で,右の引合(ひきあわせ)に脇楯(わいだて)を施して4間の草摺(くさずり)を下げる。胴の正面には弦走(つるばしり)という画韋(えがわ)を張り,左右の肩に袖(大袖とも),左胸に鳩尾板(きゅうびのいた),右胸に栴檀(せんだん)板をつける。重量はあるが,馬上での弓箭(きゅうせん)使用に最も適した構造をもつ。平安中期以降に発生し,源平の争乱期を中心に使用されたが,鎌倉末期以降,打物中心の戦闘になって腹巻が主流になると,儀礼用となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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