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大祓(おおはらえ)

人々に付着した罪・穢(けがれ)・災などを除いて清浄にする儀式。国家が行った大祓の確実な最古の事例は,「日本書紀」天武5年(676)8月辛亥条。大宝・養老両令では,中央政府が行うものとして6月・12月晦日の常例のものと,大嘗祭や災害異変などの臨時のものが規定され,諸国の国造(くにのみやつこ)・郡司らに行わせるものは臨時のものに限られた。中央政府の大祓は,御禊麻(ぬさ)・祓刀(はらえのたち)・馬・稲などの祓物(はらえつもの)を朱雀門前大路上にならべ,大臣以下百官を集めて中臣(なかとみ)が大祓詞をのべ,卜部(うらべ)が祓を行った。この大祓は平安時代の儀式書でも詳細に施行規則が定められたが,平安中期以降は形骸化し,応仁の乱後には途絶した。なお民間の大祓は,6月晦日のものが水無月祓(みなづきのはらえ)と称して広範に定着し,近世以降に及んだ。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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