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大野城(おおのじょう)

大宰府政庁の北にある標高410mの四王寺山に築かれた朝鮮式山城。福岡県宇美町と太宰府市・大野城市にまたがる。白村江(はくそんこう)の敗戦後の国際的緊張のなかで,665年(天智4)亡命百済人の憶礼福留(おくらいふくる)らに指揮させて,長門城・椽(き)城(基肄(きい)城)と同時に築かれた。四王寺山の尾根に沿ってめぐらされた土塁・石塁の総延長は約6.5kmで,南側と北側は二重になっており,4カ所に城門があった。約180ヘクタールの城内には7カ所,計70棟余の建物があり,そのほとんどが高床式倉庫だったことから,大宰府の逃込み城だったことがわかる。大宰府あるいは筑前国によって管理されたようで,823年(弘仁14)に主城が新設されて城司が成立。774年(宝亀5)には新羅(しらぎ)調伏のため当城内に四天王寺(四王寺・四王院)を創建。国特別史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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