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大伴氏(おおともうじ)

古代の有力な中央豪族。姓は連(むらじ),684年(天武13)宿禰(すくね)となる。本来は摂津・和泉の豪族で,大和の城上(しきのかみ)・十市(とおち)両郡にも本拠をもった。大伴の名は有力な伴造(とものみやつこ)の意で,靫負(ゆげい)や久米部,同族の佐伯を率いて宮門を守るのを職掌としたが,しだいに力を増し国政にも参与した。雄略朝に大連となった室屋(むろや)以後が実在とされ,その孫金村(かなむら)は継体天皇を擁立した。その後,新興の物部・蘇我両氏に押されたが,大化の改新後,長徳(ながとこ)が右大臣となり,その弟の馬来田(まくた)・吹負(ふけい)は壬申の乱で活躍した。文武朝以後には御行(みゆき)・安麻呂・旅人(たびと)が大納言となったが,旅人の子の家持(やかもち)以後は藤原氏に抑えられ,866年(貞観8)大納言の伴善男(よしお)が応天門の変で失脚して衰微した。なお823年(弘仁14)氏の名を伴と改めている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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