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近江大津宮(おうみのおおつのみや)

近江宮・大津宮とも。近江国におかれた天智天皇の宮。近江への遷都は,防衛・交通・生産力などの観点から選択されたと考えられる。667年(天智6)飛鳥から近江に遷都,671年(天智10)大蔵省の第3倉から火災が発生し,翌年には壬申の乱における近江朝廷側の敗北によって廃絶した。持統朝には柿本人麻呂が廃都を嘆く歌を詠んでいる。殿舎名称としては,宮門・内裏・朝庭・大殿・西小殿(西殿)・仏殿・浜楼などがあり,大蔵省・大炊・漏刻・大学寮などが付属したと考えられる。朝堂院や条坊制などの存在は疑問である。現在の大津市錦織(にしこおり)から大型の掘立柱建物群が発見され,宮跡として有力視され,国史跡に指定されている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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