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近江商人(おうみしょうにん)

おもに江戸時代,全国的にめざましく活躍した近江国出身商人およびその商法や性格を含めていう。とくに蒲生・神崎・愛知(えち)の湖東3郡の出身者が多い。この地方は古来水陸交通の要地として市が栄え,中世は市座を結んで隣接諸国へ隊商を組んで往来した。近世には活動領域も全国に広がり,鎖国前は朱印船貿易にも進出した。天秤棒による持下り商いから,しだいに三都をはじめ要地に設けた出店間の産物廻しにより富を蓄え,蓄積した資金を金融業・醸造業などによって増殖した。商家経営には共同企業,複式簿記,退職金,内部預金制度など最も進んだ合理的経営法を採用。西川産業・外与・ツカモト・稲西・チョーギン・伊藤忠・丸紅・市田・コスギなどは現存の近江商人系商社。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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