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往生伝(おうじょうでん)

極楽に往生した人々の伝記を集めた編纂書。日本の往生伝は平安時代と江戸時代に多く制作された。平安時代には,中国の往生伝にならって慶滋保胤(よししげのやすたね)が著した「日本往生極楽記」をはじめ,文人たちの手になる大江匡房(まさふさ)「続本朝往生伝」,三善為康(みよしのためやす)「拾遺往生伝」「後拾遺往生伝」,蓮禅(れんぜん)「三外(さんげ)往生記」,藤原宗友「本朝新修往生伝」などがあり,それぞれ先行書を補足・継承している。これらに収められた往生人の行業は法華・念仏などの別を問わず,特定の宗派に偏らない。江戸時代には幕府の保護をうけた浄土宗,および一向宗の発展を背景に「緇白(しびゃく)往生伝」などが刊行された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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