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暦学(れきがく)

暦の方式・作成のための学問。日本では7世紀頃までに百済(くだら)を通して中国の太陰太陽暦が伝えられ,日・月の天文常数や造暦の規則を記した元嘉暦などの中国暦法が順次施行された。令制では陰陽(おんみょう)寮の暦博士がこれをもとに毎年の暦を作ったが,861年(貞観3)唐の宣明暦採用後800年余り改暦は行われず,また平安中期から暦道は賀茂氏の家業となり,暦学は長く停滞した。江戸時代に入り渋川春海(はるみ)はもとの授時暦を改良した貞享暦を作り,日本人による最初の暦法が施行され,造暦の実務も幕府天文方に移った。江戸中期から漢訳・蘭訳の西洋天文学書が紹介され,その成果をとりいれた寛政暦・天保暦が施行され,ついで明治政府は太陰太陽暦を廃し,1873年(明治6)から現行の太陽暦(グレゴリオ暦)に移行した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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