良弁(ろうべん)
生没 689~773.閏11.16 奈良時代の僧。相模国の人。俗姓漆部(ぬりべ)氏。一説に近江国志賀郡の百済氏。義淵(ぎえん)に法相を,審祥(しんじょう)に華厳(けごん)を学ぶ。733年(天平5)に建てられた金鐘(こんしゅ)寺で,740年に審祥を講師に招いて華厳経講説を開始した。744年知識華厳別供を設け,翌々年法華会(ほっけえ)を創始した。751年(天平勝宝3)少僧都(そうず)に任命され,翌年大仏開眼供養ののちに初代東大寺別当に就任したという。756年大僧都となり,760年(天平宝字4)僧位制改正を上奏した。石山寺(滋賀県大津市)造営にも尽力し,764年僧正となる。根本僧正・金鐘菩薩と称され,奈良後期の東大寺や仏教界で隠然たる実力を誇った。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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