1. 用語
  2. 日本史 -ろ-
  3. 労農派(ろうのうは)

労農派(ろうのうは)

昭和戦前期に日本共産党ないし講座派と対立したマルクス主義者の一グループ。福本イズムにより日本共産党が再建されたが,天皇制・地主制の封建的要素を過大評価する27年テーゼ以後の共産党の戦略に反対して,堺利彦・山川均・荒畑寒村・猪俣津南雄(つなお)・鈴木茂三郎らによって1927年(昭和2)12月に創刊された雑誌「労農」に由来。その後日本資本主義論争が展開されると,講座派と理論的に対立した櫛田民蔵・大内兵衛・向坂(さきさか)逸郎・有沢広巳・土屋喬雄(たかお)らの学者グループも労農派とよばれるようになった。近代日本農村の伝統的諸要素を日本資本主義成立過程の特質から説明し,地主・小作関係の非封建制を主張する点にその理論的特徴がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう