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牢人(ろうにん)

浪人とも。江戸時代,主家をもたない武士や奉公人。17世紀前半には大名の改易・減封,自主的な暇乞いや処罰などによって大量に発生した。はじめ幕府は都市域を中心に滞留する彼らをきびしく取り締まったが,慶安事件などを契機として末期(まつご)養子を解禁し,牢人発生の原因となる大名の改易を減少させた。江戸では町奉行所による掌握・管理のもと,苗字帯刀と町方居住を許すようになる。この時期には再仕官の可能性がほとんど閉ざされ,帰農・帰商するほかは,武芸をはじめ学問・文芸の分野や寺子屋の師匠などで生活を維持するしかなかった。17世紀末には,足軽・若党など出替(でがわり)奉公人の牢人化による都市域滞留とその取締りが問題化する。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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