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漏刻(ろうこく)

水時計のこと。水を利用して時を知る時計で,時を計るための漏壺(ろうこ)には排水型と受水型がある。技術上の難点からヨーロッパではおもに日時計が使われたのに対して,中国・日本では漏刻が盛んに用いられた。とくに中国では水力による時間計測技術が発達し,水力で動くプラネタリウムまで考案された。日本では660年(斉明6)に中大兄(なかのおおえ)皇子(天智天皇)がはじめて作ったとされ,令制では陰陽寮に漏刻博士がおかれた。奈良県明日香村の水落(みずおち)遺跡には,その遺構から漏刻が設けられていたと考えられる。その後近世に至るまで使用されたようだが,構造に不明な点が多い。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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