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三司官(さんしかん)

首里王府の役職。人臣の最高職。位階は正一~従一品で称号は親方。冠は紫地浮織冠(むらさきじうきおりかん)。禄高は知行を含め400石。近世以前の平仮名表記では,16世紀の碑文などに「みばんの大やくもい」「世あすたべ」とあり,その漢字表記が三司官また法司官である。摂政(せっせい)とともに評定所の上の御座を構成。国政の運営全般について審議し,国王の裁可を仰いで決定した。3人体制で,それぞれ給地方,所帯方,用意方を分掌し,変則交代制の三番(みばん)出仕により勤務した。任職者の出自は一部を除き王家の分家である向姓,さらに毛・翁・馬姓など名門の家系にほぼ限定されていた。国王冊封(さくほう)の謝恩使(しゃおんし)派遣で正使,江戸上りの際の副使を勤めたほか,王世子,王妃殿の大親などに任職した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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