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斬罪(ざんざい)

死刑の一種。古代,律の五罪のうちの死罪に絞・斬の二つがある。斬は斬首を意味し,「身・首異処」するため絞よりも重いとされる。7世紀前期の日本の刑罰の実情を伝える「隋書」倭国伝には死とのみ記し,絞と斬の区別の有無は不明である。「日本書紀」では7世紀中期から死罪の場合に絞と斬を区別している。鎌倉時代になると斬罪が死刑の基本となって,絞罪は行われなくなった。「御成敗式目」では謀叛(むほん)・殺害(せつがい)・夜討・強盗・山賊・海賊・放火を大犯・重科として斬罪に定めている。のちに追加法で人勾引(ひとかどい)(誘拐)・人売が加えられ,室町中期には窃盗が強盗とともに大犯として斬罪を科されるようになった。江戸時代には士身分の者の盗賊・殺人などの重罪に対して科せられ,庶人に対する死刑は死罪ないし下手人(げしゅにん)であった。斬首にあたり目隠しがされず,死体が刀剣の様斬(ためしぎり)の用に供されない。見懲らし(みごらし)のため小塚原などの刑場で公開された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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