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参勤交代(さんきんこうたい)

参覲交代とも。江戸時代,大名が一定期間江戸に出仕することを参勤といい,交代とは領地に就くことをいう。参勤の起源は鎌倉時代までさかのぼり,室町時代には守護大名の京都在住が強制されている。織豊政権下でも参勤がみられ,豊臣秀吉が参勤交代の原形をつくった。1600年(慶長5)の関ケ原の戦後,外様大名の江戸参勤が増加し,徳川家康の将軍宣下後はその傾向が強まった。家康は参勤する大名に屋敷地を与えて妻子の江戸居住を奨励する一方,鷹狩と称して参勤する大名を出迎える配慮を示した。09年には参勤・江戸越年をもとめるなど,しだいに参勤を定着させ,15年(元和元)武家諸法度に参勤作法之事を定めた。35年(寛永12)大名の4月参勤を制度化し,42年には譜代大名へも参勤を義務づけた。8代将軍吉宗のとき財政窮乏により在府期間を一時半減したものの,1862年(文久2)の改革まで継続された。参勤交代による大名の財政的負担は大きく,大名統制策の根幹としての意義があった。一方交通の整備や宿場の繁栄,文化の地方伝播も促進した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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