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山家集(さんかしゅう)

西行(さいぎょう)の家集。3巻。六家集の一つ。原型が高野在住末期に自撰され,西行または後人の手で増補か。上巻は四季,中巻は恋・雑,下巻は雑と恋百十首・讃岐旅行歌・伊勢詠・十題百首などを収める。諸本は,陽明文庫本(1552首),松屋本(板本書入れ。1252首,独自歌69首),六家集板本(1569首)などの諸系統がある。花月をはじめとした自然や庵居・行旅の生活・風物を詠じつつ,表現の自在さに支えられて実感を表出するところに独自の境地がある。この集を中心に西行の和歌は新古今時代から評価され,近代に至るまで大きな影響を与えた。他の家集に「西行上人集」「聞書集」「聞書残集」「山家心中集」「別本山家集」がある。「岩波文庫」「西行全集」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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