1. 用語
  2. 日本史 -さ-
  3. 三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)

三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)

縁の断面形が三角形をなす神獣鏡。前期古墳から大量に出土。面の径は21cm前後の大型品が多い。主文には神像と獣形を放射状あるいは重層的に配し,これに車馬・傘松形・香炉などが加わる場合もある。神像と獣形の数によって二神二獣鏡・三神三獣鏡・四神二獣鏡などに区別される。「景初三年」(239)「正始元年」(240)など魏(ぎ)の年号をもつものがあり,「魏志倭人伝」にいう卑弥呼(ひみこ)が魏からもらった鏡100面がこれにあたるとする説がある。しかしこれまでに中国ではこの類の鏡の発見例はない。一方,これを魏鏡ではなく日本に渡来した呉(ご)の工人によって製作された鏡とする説もある。また京都府椿井(つばい)大塚山古墳を中心として,同笵(どうはん)鏡が各地に多く分布することから,古墳時代の大和政権の支配構造を把握する理論も展開されている。1997年(平成9)には奈良県黒塚古墳から三角縁神獣鏡33面と画文帯神獣鏡1面が出土した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう