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催馬楽(さいばら)

日本古来の宮廷歌謡。地方の風俗歌が雅楽化したもの。名称の由来には諸説がある。859年(貞観元)10月の広井女王の薨伝に「特に催馬楽歌を善くし」たとあるのが初見。7世紀末~9世紀初頭に都に伝えられた風俗歌は,9世紀前半には宮廷の催馬楽歌として整備されていたであろう。以後,醍醐朝までの時期に雅楽の楽曲の影響をうけ,楽器も横笛(おうてき)・篳篥(ひちりき)・笙(しょう)・琵琶・箏(そう)といった雅楽器を伴奏として奏されるようになる。平安中・後期には隆盛し,宇多天皇の皇子敦実親王を流祖とする源家と,源博雅を流祖とする藤家などによって伝承された。のちしだいに衰退し,室町時代には廃絶したが,江戸初期以降また復興した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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