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斎藤実内閣(さいとうまことないかく)

5・15事件後,海軍長老の斎藤実が官僚,軍人,政友・民政両党から閣僚を組織した挙国一致内閣(1932.5.26~34.7.8)。軍部の政党批判が強い状況で,現状維持を期待された。政府は五相会議によって重要政策の決定を行った。内田康哉(やすや)外相は「焦土外交」を唱え,満州国の承認,日満議定書の調印,国際連盟脱退を行ったが,のちに広田弘毅外相は「和協外交」を唱え,「防共」を通じて国際関係の修復を試みた。高橋是清蔵相は管理通貨制度の下で積極財政を展開し,昭和恐慌からの脱却に成果をあげた。しかし帝人事件によって大蔵省高官が逮捕されたため,内閣は責任をとって総辞職した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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