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扇面古写経(せんめんこしゃきょう)

「扇面法華経冊子」とも。12世紀半ば頃に制作されたと考えられる装飾経。紙扇を粘葉(でっちょう)装の冊子に仕立て,その表裏に経文を書く。内容は「法華経」8巻と「無量義経」および「観普賢経(かんふげんきょう)」からなり,本来は10帖からなる。現在は6帖分59枚が残る。表紙には和装の女房姿の十羅刹女(じゅうらせつにょ),また料紙下絵には貴族や庶民をテーマにした風俗画や,花鳥や風景などが描かれ,当時の世俗画を知るうえで貴重。下絵には,和歌や経文の意が判じ絵としてこめられていると近年指摘され,歌絵の伝統をみることができる。紙本着色。四天王寺蔵(上弦25.8cm,下弦10.6cm,辺25.8cm)・東京国立博物館蔵(上弦49.5cm,下弦19cm,辺25.3cm)は国宝。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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