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前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)

円形の主丘に方形の墳丘を付した形の古墳。江戸時代に蒲生君平(がもうくんぺい)によって命名された。古墳時代を特徴づける日本独特の墳形で,近年朝鮮半島南西部でも発見されつつある。出現時期・起源について諸説ある。畿内を中心にほぼ全国的に分布。前期には前方部は後円部に比して細長く低いが,しだいに幅広く高くなり,後期には後円部を凌駕する。基本的に後円部で埋葬が行われ,前方部は副次的な役割をはたしていたと思われるが,具体的なことは不明。各種の形態の古墳のなかでは最高位に位置づけられる墳形であり,当時の氏姓制度などと結びつける考えもある。設計図にもとづいて造られたと考えられ,その築造企画や基準尺についても諸説がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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