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仙洞御所(せんとうごしょ)

仙院とも。天皇が譲位後に居住する御所。奈良時代までは,天皇も太上天皇(上皇)も同じ平城宮内に住んでいたが,平安初期になると,平城上皇は平城宮を御所とした。ついで嵯峨天皇以降は,譲位の儀に際して平安宮を去り,別宮に移るのが例となった。後院(ごいん)をあてるのが例で,とくに嵯峨・陽成・宇多・朱雀(すざく)・冷泉(れいぜい)上皇は累代の後院とされた朱雀院・冷然(冷泉)院を御所とした。院政期にはいると,白河・鳥羽・後白河上皇は京内の御所のほか,郊外に白河殿・鳥羽殿・法住寺殿といった,御堂が付属した広大な御所を造営した。南北朝期には仙洞御所焼失のため,臣下の邸宅を使用した。応仁の乱以降,一時仙洞御所設置が中断したが,江戸時代には復興し,京都御所の東南に営まれた例が多い。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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