1. 用語
  2. 日本史 -せ-
  3. 選択本願念仏集(せんちゃくほんがんねんぶつしゅう)

選択本願念仏集(せんちゃくほんがんねんぶつしゅう)

「せんじゃくほんがんねんぶつしゅう」とも。法然(ほうねん)が,1198年(建久9)九条兼実の要請をうけて,弟子に口述筆記させたもの。浄土宗の根本経典。浄土の教えが末法の世で最も優れたものであると主張し,浄土宗の開宗を宣言した。「南無阿弥陀仏」と唱える口称念仏が阿弥陀仏の本願にかなった正行(しょうぎょう)で,臨終に際し一声でも念仏すれば極楽往生できるとし,道綽(どうしゃく)・善導らの説や浄土三部経などを引用・解釈しつつ説く。草稿本は京都廬山(ろざん)寺にある。法然の死後に開版されたが,明恵(みょうえ)高弁が「摧邪輪(さいじゃりん)」を著して反論するなど反響が大きかった。「日本思想大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう