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先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)

「旧事本紀」「旧事紀」とも。神代から聖徳太子の死去までを記した史書。10巻。蘇我馬子(そがのうまこ)らの撰とする序文は後世の偽作。撰者は不明だが,物部(もののべ)氏の事績を多く載せていることから物部氏との関係が注目されている。成立は延喜年間(901~923)以前の平安初期と推定される。全巻を通じて「古事記」「日本書紀」からの引用が多く独自の記事は少ない。尾張・物部両氏の家伝によったとされる両氏の系譜を収める巻5「天孫本紀」と,後世の加筆部分を除く巻10「国造(こくぞう)本紀」は貴重な史料。古代末~中世に神道関係で重視されてきたが,近世初頭に偽書説がうまれて評価が低くなった。「国史大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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