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仙覚(せんがく)

生没 1203~? 鎌倉時代の万葉学者。天台宗僧。常陸国生れ。少年期から「万葉集」に親しみ,鎌倉での数次にわたる校勘(こうかん)をへて寛元本(1247)や文永本(1266)などの校訂本を作成。その間,1246年(寛元4)に古点・次点時代の無点歌152首に訓点を施した新点を試み,53年(建長5)には新点抄に奏状をそえた「仙覚律師奏覧状」を後嵯峨上皇に献上。69年(文永6)には武蔵国で「万葉集註釈」(「仙覚抄」)を完成。本文面では新点の案出および多くの証本を用いたこと,注釈面ではインドの音声学(悉曇(しったん)学)の知識を応用した用字法分析や音義学的語義分析,道理(論理),文証(文献)による釈義を試みた点に意義がある。「続古今集」以下に入集。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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