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瀬戸内海(せとないかい)

本州・四国・九州に囲まれた内海。古代から重要な水運・外交使節のルートとして,国内や東アジアの歴史の局面で重要な役割を担った。古代・中世にはおびただしい数の海民が盤踞(ばんきょ)し,水軍・海賊と称された彼らは瀬戸内海の海上権を握り,年貢輸送など荘園経済の死活を制した。同時に政治的にも,藤原純友の乱や源平の争乱,南北朝内乱期の足利尊氏の東上などにみられるように,歴史の局面をしばしば左右した。近世に入ると,複雑な地形・航路を克服する沖乗り航路が開発され,九州・日本海側と大坂市場を結ぶ大動脈となり,全国市場の形成に寄与した。また塩の生産地として,経済的に重要な役割をはたした。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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