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説話文学(せつわぶんがく)

説話をその文学的資質について考慮する場合に用いる語。一つ一つの説話,あるいは説話集についても用いるが,狭義には「今昔物語集」「宇治拾遺物語」などの説話集と,そのなかの個々の説話をいう。説話は本来口承されたものだが,その伝達は厳密ではなく,伝承者が話を再構築するものであった。そうした伝承過程で,説話集のなかの説話には読み手を意識して話を整理し,表現を工夫しているものが多い。そこには文学性が認められるため,説話集に収められた説話をとくに説話文学ということがある。説話は記紀や日記・和歌集・歌論書などさまざまな作品に収められるが,広くすべての説話を説話文学という立場もある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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