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切腹(せっぷく)

割腹・屠腹・腹切とも。刀で自分の腹を切る自殺または死刑の方法。平安時代以後,勇気や真心を示す自殺の方法として武士の間で一般化し,室町時代には武士に対する刑罰としても行われるようになった。中世末までは刀を左の脇腹に突き立て右脇まで引く一文字,そこからいったん抜いた刀を縦に鳩尾(みぞおち)から臍下まで切り下げる十文字などがあり,その式法も定まらなかったが,しだいに儀式化した。江戸時代には上級武士に対する死刑としても用いられた。500石以上の者は大名の屋敷内で,それ以下の者は牢内で,検使が見届けるなか執行された。ただしその方法は完全に儀式化し,実質的には介錯人(かいしゃくにん)による斬首の刑であった。刑罰としては1873年(明治6)廃止されたが,自殺としては軍人を中心にその後も行われた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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