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世尊寺流(せそんじりゅう)

三蹟の1人藤原行成(ゆきなり)を祖とする一大書流。後世の数多くの書流の源流に位置する。流名は清和天皇の第6皇子貞純親王の御所を,行成が1001年(長保3)寺に改築して世尊寺と称したことにちなむ。17代行季(ゆきすえ)に至るまで代々宮廷の書役を勤めた。行成の後,その孫伊房(これふさ)をはじめ,定実・定信・伊行(これゆき)・行能らの能書家を輩出し,1世紀半にわたって隆盛を誇ったが,鎌倉時代以後は生彩を欠いた。行季の没後は後嗣を失って断絶した。ただし江戸時代の書流系譜を掲げる諸本では,8代行能を筆頭とする書流を世尊寺流とし,それ以前は上代風とみていたことがうかがえる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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