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清良記(せいりょうき)

戦国期~江戸初期に伊予国の武将だった土居清良(どいきよよし)の生涯を扱った軍記物。30巻。巻7は他巻と内容を異にした農業技術書に相当し,「親民鑑月集」ともいわれ,日本最古の農書で中世農書とみなされてきた。一般に「清良記」といえば巻7をさす。清良の家臣松浦宗案による農業についての意見具申や,清良と宗案の問答をもとに,農業技術・経営・生活などを詳細に論じている。近年の書誌学的考察や書中の作物名・栽培技術の検討などから,巻7は戦国末期の成立ではなく,17世紀後半に編集された近世農書と考えられている。「日本農書全集」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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