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青鞜(せいとう)

明治後期に創刊した日本最初の女性だけの文芸思想誌。1911年(明治44)9月創刊。平塚らいてう・保持(やすもち)研子・物集(もずめ)和子ら5人を発起人とし,与謝野晶子(あきこ)・長谷川時雨(しぐれ)・田村俊子らを賛助員として結成された青鞜社の同人誌で,はじめは「女流文学の発達を計り,各自天賦の特性を発揮」することを目的とした。平塚らいてうの創刊の辞「元始,女性は太陽であった」,与謝野晶子の「山の動く日来る」で始まる巻頭詩,長沼(高村)智恵子による女性の全身像で飾られた表紙は,女性の覚醒と解放を象徴するものであった。創刊号は25銭で部数は1000部。反響は大きく,翌年神近(かみちか)市子・伊藤野枝(のえ)・尾竹紅吉(こうきち)(富本一枝)が参加し,部数も約3倍となる。13年(大正2)に青鞜の女性たちの行動が「新しい女」として批判されたため,その目的を婦人問題の追求におく。以後誌上では堕胎・貞操・売娼・恋愛・結婚・母性について社会制度や既成道徳への挑戦も含む論争が行われ,発禁処分もうけた。15年1月から伊藤野枝が編集にあたるが,翌年2月に無期休刊となる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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