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政談(せいだん)

8代将軍徳川吉宗の諮問に応じ荻生徂徠(おぎゅうそらい)の示した幕政改革案。4巻。1726年(享保11)頃の成立。武士の城下町集中(旅宿の境界),貨幣経済の浸透と物価上昇にともなう上下の困窮,商業発達による大量人口の江戸流入,伝統的人間関係の解体(面々構),犯罪の多発,武家の風俗悪化と統治能力の低下などの状況に対し,和漢の古法,聖人の道を基準として改革を構想。巻1では旅券・戸籍・武士土着などの組合せによる人間の流動化の抑止を考案する。巻2では財政安定策として,身分に応じた差別的制度の制定や各地からの土産品の貢納制など,巻3では政府組織の合理化や大胆な人材登用策などを提言。徂徠のトータルな現実認識と深い古典的素養の結合を示す。「日本思想大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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