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製糸業(せいしぎょう)

繭から生糸を生産する産業。近世には養蚕・製糸は農家の副業として行われたが,幕末開港により生糸輸出が開始され,製糸業は大きく発展する契機をつかんだ。以後製糸業は最も重要な外貨獲得産業として政策的保護をうけつつ発展した。近代製糸業の発展は富岡製糸場が先導したが,ついで長野県諏訪地方などの器械製糸家が在来の座繰製糸を抑えて台頭,さらに第1次大戦後は片倉・郡是(ぐんぜ)などの大企業が進出した。反面,アメリカ市場への依存度の大きい製糸業は,世界恐慌と第2次大戦によって大きな打撃をうけた。戦後は合成繊維の普及と後発国の生糸輸入圧力により衰退した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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