杣(そま)

律令国家や貴族・寺社が,造営・修理用の材木を採る目的で所有する山林。山城・大和・伊賀・近江諸国など畿内とその周辺に集中的に設定された。東大寺領伊賀国板蠅(いたばえ)杣・玉滝杣,宇治平等院領近江国子田上(こたかみ)杣,法成寺領近江国三尾(みお)杣,寂楽寺領近江国朽木(くつき)杣などが著名。杣には杣司(そまのつかさ)の下に杣工(そまく)・筏師が,集積地には木守がいた。彼らは伐採跡を焼畑とし,谷間を開墾したが,杣領有者はこうした開発耕地をも支配下におき荘園化していった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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