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相聞(そうもん)

雑歌(ぞうか)・挽歌(ばんか)とともに「万葉集」の3大部立の一つ。巻2・4・8~14の各巻にたてられている。漢籍の書簡類に多用される語で,元来は相手のようすを尋ねる,消息を通じ合うの意。転じて,私的な心のうちをのべる意となり,「万葉集」ではとくに男女間の私情を詠んだ恋の歌の意に用いるが,恋歌のほかに,親子・兄弟・姉妹・知友などの間の私情をのべ伝える歌も混在する。「古今集」以下の勅撰和歌集の恋歌にほぼ相当するといえるが,巻8・10では相聞の上位概念として四季をおいて,春相聞・夏相聞・秋相聞・冬相聞に分類している。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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